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昨日のゴールド振り返り
2026年8月20日のゴールド(XAUUSD)は、前営業日終値4580.7ドルに対して寄り付き4580.0ドルとほぼ同水準でスタートしました。日中は高値4597.1ドル、安値4506.0ドルと91.1ドル幅の値動きとなり、終値は4575.1ドル、前日比では-5.6ドル(-0.12%)とほぼ横ばいで着地しています。値幅自体はATR(14)の90.48ドルとほぼ同じ(range_vs_atr 1.01)であり、平時並みのボラティリティだったと言えます。

時間帯別の値動きを整理すると、以下のようになります。
| 時間帯 | 始値 | 高値 | 安値 | 終値 | 変化 |
|---|---|---|---|---|---|
| 東京時間(7〜15時) | 4580.0 | 4583.8 | 4534.8 | 4538.5 | -41.5 |
| 欧州時間(15〜21時) | 4538.6 | 4555.9 | 4521.2 | 4523.1 | -15.5 |
| NY時間(21時〜翌6時) | 4523.3 | 4597.1 | 4506.0 | 4575.1 | +51.8 |
流れを追うと、東京時間は寄り付きから徐々に上値が重くなり、41.5ドル安と一日の下げの中心となりました。欧州時間もこの流れを引き継ぎ緩やかな下落が続き、この間に安値4506.0ドル(日本時間21:30頃)をつける場面がありました。ところがNY時間に入ると一転して強い買いが入り、+51.8ドルの上昇でこの日の高値4597.1ドル(日本時間0:15頃)を記録、結果的に東京・欧州の下げをほぼ帳消しにする形で終値を押し上げました。一日を通じては「アジア・欧州で調整安、NYで切り返し」という展開だったことが読み取れます。
直近5営業日の推移を見ると、8月14日終値4380.4ドルから8月17日4417.8ドル、8月18日4389.5ドルとやや上下しつつも、8月19日には前日比+4.36%という大きな上昇で4580.7ドルまで急伸しています。20日はその急伸後の高値圏でのもみ合い・小幅調整という位置づけであり、直近の急騰の勢いを消化する一日だったとみることができます。
テクニカル状況
| 指標 | 数値 | 読み方の目安 |
|---|---|---|
| RSI(14) | 86.4 | 70超えの強い過熱水準。買われすぎシグナルが継続的に点灯している状態 |
| ATR(14) | 90.48 | 1日あたりの平均的な値動き幅の目安。現状はやや大きめの変動レンジ |
| ADX(14)/+DI/-DI | 30.8 / 37.0 / 13.8 | ADX25超でトレンドあり、+DIが-DIを大きく上回り上昇トレンド優勢 |
| MACD/シグナル/ヒストグラム | 102.32 / 65.62 / 36.7 | MACDがシグナルを上回りヒストグラムもプラスで上昇モメンタム継続 |
| ストキャスティクス%K/%D | 96.1 / 91.3 | 80超えの高水準で推移し、短期的な過熱感が強い |
| ボリンジャーバンド上限/下限 | 4627.33 / 3890.74 | 終値4575.1はバンド上限に接近しており、上方向への振れが強い状態 |
| SMA20/50/200 | 4259.03 / 4169.1 / 4496.42 | 終値はいずれの移動平均線も上に位置し、短期・中期・長期すべて上向き基調 |
オシレーター系の指標を見ると、RSIは86.4、ストキャスティクスも%K96.1・%D91.3と、いずれも一般的な「買われすぎ」の目安である70〜80を大きく超えて高止まりしています。MACDもシグナルラインを上回りヒストグラムがプラス圏を維持していることから、勢い自体はなお強い状態が続いていると読み取れます。一方でこれだけ過熱感の強い水準では、短期的な調整や利益確定売りが出やすくなる点には注意が必要です。
トレンド系の指標では、終値がSMA20・SMA50・SMA200のすべてを上回っており、短期から長期まで一貫して上向きの並びとなっています。ADXは30.8と25を上回りトレンドの存在を示しており、+DI(37.0)が-DI(13.8)を大きく上回ることから、方向性としては上昇トレンドが優勢と整理できます。ボリンジャーバンドは終値がほぼ上限(4627.33)に接近しており、バンドの拡大とともにボラティリティの高まりも示唆されます。一目均衡表では、価格は雲の上に位置し、転換線(4456.05)が基準線(4280.65)を上回る「好転」の並びとなっており、価格も基準線を上回っています。雲の上限は4363.85、下限は4131.28であり、これらは下値の目安として意識されやすい水準です。直近のサポート・レジスタンスとしては、レジスタンスが4597.1ドル(直近高値)、サポートが4017.9ドルとやや離れた位置にあります。

本日の経済指標
| 時刻(日本時間) | 国 | 指標名 | 重要度 | 予想 | 前回 |
|---|---|---|---|---|---|
| 16:15 | ユーロ圏 | French Flash Manufacturing PMI | 中 | 50.1 | 50.0 |
| 16:15 | ユーロ圏 | French Flash Services PMI | 中 | 49.4 | 49.8 |
| 16:30 | ユーロ圏 | German Flash Manufacturing PMI | 中 | 52.1 | 52.2 |
| 16:30 | ユーロ圏 | German Flash Services PMI | 中 | 50.1 | 49.6 |
本日は重要度「高」に区分される指標の発表はなく、いずれもユーロ圏の速報PMI(購買担当者景気指数)が中心です。これらは景況感の先行指標として市場に一定の関心を持たれやすく、結果がユーロ圏経済の強さ・弱さを示す材料となることで、ユーロやドルの相対的な強弱を通じて間接的にドル建てのゴールド価格にも影響が波及する可能性があります。
注目ニュースと相場への影響
「米就業者 市場予想に反し減少 利上げ観測後退で円高ドル安進む」という見出しからは、雇用統計が市場予想を下回ったことで、米国の利上げ観測が後退したという流れが読み取れます。一般に、利上げ観測が後退すると米金利の先高観が弱まり、金利を生まないゴールドにとっては相対的な割高感が薄れやすくなるため、金相場の下支え要因として意識されやすい傾向があります。また同時に円高ドル安が進んだとされており、ドル建て資産であるゴールドの割安感が強まる方向に作用しやすい点も併せて意識されます。
「NY外国為替市場 円高ドル安が進む 米雇用統計発表受け」という見出しも同様に、雇用統計を受けたドル売りの流れを示しています。一般にドルが弱含む局面では、ドル建てで取引されるゴールドは他通貨建てで見た場合の購入コストが下がるため、買いが入りやすくなる傾向があります。ただし為替の変動幅や持続性によって影響の強弱は変わるため、あくまで一つの参考材料として捉える必要があります。
「シャープ イラン情勢と円安で業績予想を下方修正」という見出しからは、中東の地政学的な緊張が企業業績にまで影響を及ぼしている様子がうかがえます。一般に地政学リスクの高まりは、安全資産としてのゴールドへの資金シフトを促す要因として語られることが多く、緊張の程度や継続期間によっては金相場を下支えする材料として意識されやすい傾向があります。
本日の注目ポイント
直近のレジスタンスは4597.1ドル、サポートは4017.9ドルが目安として意識されます。また、前営業日終値(4575.1ドル)にATR(14)の値幅を加減した本日の参考レンジは、上値側が4665.58ドル、下値側が4484.62ドルとなっています。
- 上振れシナリオ: 4597.1ドル付近のレジスタンスを上抜けて上昇が続く場合、ATRベースの上限である4665.58ドル付近までの値幅が意識される可能性があります。
- 下振れシナリオ: 過熱感の強いオシレーター系指標を背景に調整が入る場合、ATRベースの下限4484.62ドルや、より下の水準ではサポートとされる4017.9ドル付近までの値幅が意識される可能性があります。
いずれの水準も確定的なものではなく、当日の材料次第で上下いずれの方向にも変化し得る点にご留意ください。
今日のワンポイント知識
今日は「ダウ理論」について解説します。ダウ理論とは、株式や為替、商品などあらゆる市場の値動きを分析する際の基礎となる考え方で、「価格はすべての事象を織り込む」「トレンドには短期・中期・長期がある」「トレンドは高値・安値の切り上げ・切り下げで定義される」といった原則から成り立っています。
実際のチャート分析で最もよく使われるのが、この「高値・安値の切り上げ・切り下げ」という考え方です。上昇トレンドとは、直近の高値が前の高値を上回り(高値の切り上げ)、かつ直近の安値も前の安値を上回っている(安値の切り上げ)状態が続くことと定義されます。逆に下降トレンドは、高値・安値がともに切り下がっていく状態です。そしてこの切り上げ・切り下げのパターンが崩れた時、たとえば上昇トレンド中に直近安値を明確に下回った時に、トレンド転換の可能性が意識されるようになります。
ゴールドのチャートでこの考え方を使う際は、短期的なノイズ(小さな上下動)まで一つ一つ高値・安値として拾ってしまうと、判断がぶれやすくなる点に注意が必要です。ある程度大きな時間軸(日足や週足など)で明確な波形を確認しつつ、他のテクニカル指標(移動平均線やRSIなど)と組み合わせて総合的に判断することが、より安定した分析につながりやすいとされています。
本記事は情報提供を目的としており、投資助言ではありません。
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